17.「ペット火葬」~別れの後の静かな時間~Ⅱ
横たわっているその子の身体を見つめていると、身体からグレーのような、モヤモヤとしたものがゆっくりと天井に向かって昇っていくのが見えたそうです。
それが「魂」だったのかどうかは、誰にも分かりません。
光の加減だったのかもしれません。
目に映った何かを、心がそう感じ取ったのかもしれません。
科学的に証明できるものでもありません。
けれど、その方が確かに「見た」と感じたその瞬間に、何かがその子の身体から離れていったように感じたのだとしたら、それは、その方にとって、とても大切な出来事であり、「魂」とは、目で確認するものではなく、愛する存在を失ったあとに、心で感じるもので、そして、もし本当に「魂」というものがあるのだとしたら、しばらくの間、いつもの場所で、いつものように私たちのそばにいてくれるのかもしれません。
火葬をして終わりではなく、おおいに偲んでください。悲しんでください。
姿は見えなくても、気配を感じたり、匂いがしたりするのは「ここにまだいるよ」という小さなサインかもしれません。別れのあとに訪れる「静かな時間」も、少し違って見えてくるのではないでしょうか。
つづく
