60.「ペット火葬」~動物とテレパシーで会話する?Ⅱ~
ただ、そんな不思議な静寂の中で、
私はラブちゃんと目が合いました。
じーっと見ているという感じです。少しゆっくりな感じで
「お母さん、ありがとう、さようなら」
ラブちゃんから、そんな言葉を受け取ったのです。
それは、本当に声として聞こえたのでしょうか。
それとも、言葉という形を借りたテレパシーのようなものだったのでしょうか。
今でも、私にはわかりません。
ただ、はっきりと、その言葉を受け止めたのです。
すると、涙がぽろぽろとこぼれてきました。
「なんでやの? お母さんはどうしたらええの? ラブちゃんがいなくなったら、どうしたらええの?」
私は、声をあげて泣いていました。
大切なラブちゃんが、どこかへ行ってしまう。
そんな悲しみが、突然、胸いっぱいに広がったのです。
何秒だったのか、何分だったのかさえわかりませんが、
気がつくと、私はいつもの朝に戻っていました。
鳥のさえずりが聞こえ、外のざわめきも戻ってきました。
さっきまでの静寂が、まるで何もなかったかのように消えていたのです。
私は、どこか遠くの世界へ行っていて、そこから戻ってきたような感覚を覚えました。
あれは、一体何だったのでしょう。
夢だったのでしょうか。
眠りと目覚めの間に起きた、不思議な現象だったのでしょうか。
それとも、ラブちゃんと私の心が、何か特別な形で通じ合った瞬間だったのでしょうか。
今も、その答えはわかりません。つづく
